はじめに
グループホームのもとである収容施設は1970年代以前、市街地から遠く離れた場所にありました。その為、家族や一般社会との関係を築く事が困難でした。
その後、1970年代に入り「ノーマライゼーション」という理念が支持されるようになります。こうして全国各地にグループホームの試みが広がって行きました。1989年初めて知的障害者グループホームが正式に制度化されると東京都は独自に精神障害者グループホームも制度化しました。
2006年障害者自立支援法が施行され、身体・精神・知的に障害の有る方が共通の制度の元に障害福祉サービスを利用できるようになりました。また、2013年に障害者総合支援法が施行されると難病患者も障害福祉サービスを利用できるようになりました。
かつては人里離れた収容施設でしたが、近年は地域の中で社会と関りを築きながら生活する居住の場としてグループホームは確立されています。また、2013年までのグループホームは介護を必要とする人は入居できませんでした。しかし、2014年の制度改正により介護サービスをグループホームでも提供できるようになると介護を必要とする方の入居も可能となりました。
グループホームとは?
相談支援員、世話人が共同生活を営む住居において相談、入浴、排せつ又は食事の介護や日常生活上の援助を行います。住居のタイプには、マンション・アパート・戸建て等様々です。共同生活が前提となる為、交流室を必ず設ける必要があります。また、戸建ての場合にはお風呂やトイレは4名に1か所の共同利用が基本です。
一方で、マンションタイプやアパートタイプの住居ではお風呂とトイレは各個室に完備されている為、パーソナルスペースが確立されている事が魅力です。
戸建ての場合には、男性専用・女性専用として運営されることが基本です。
どんな人が利用するの?
日中は、就労されている方や就労移行支援を利用されていたりデイサービスに通われている知的・精神・身体に障害が有る方が利用しています。
利用までの流れは?
ステップ1 | 住民票がある市区町村の窓口に申請して障害支援区分の認定を受けます。 |
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ステップ2 | 障害支援区分の認定を受ける際に、特定相談支援事業者が作成した「サービス等利用計画案」の提出が必要です。 |
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ステップ3 | 支給決定。利用者は自身で利用先のグループホームを決めます。 |
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ステップ4 | 利用者はグループホームと利用契約を結びます。 |
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ステップ5 | グループホーム利用開始。 |
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障害支援区分
障害支援区分は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものです。
非該当 | 区分1 | 区分2 | 区分3 | 区分4 | 区分5 | 区分6 | |
44件 | 5,037件 | 47,631件 | 53,641件 | 46,844件 | 38,106件 | 60,986件 | 252,289件 |
0.0% | 2.0% | 18.9% | 21.3% | 18.6% | 15.1% | 24.2% | 100.0% |
※厚生労働省発表データ令和元年より
障害支援区分はどうやって決まるの?
ステップ1 | 市区町村へ申請 |
ステップ2 | 1次判定(コンピュータ判定) |
ステップ3 | 2次判定(審査会) |
ステップ4 | 認定通知 |
認定調査項目は全80項目
1-1 寝返り | 1-2 起き上がり | 1-3 座位保持 | 1-4 移乗 |
1-5 立ち上がり | 1-6 両足での立位保持 | 1-7 片足での立位保持 | 1-8 歩行 |
1-9 移動 | 1-10 衣服の着脱 | 1-11 じょくそう | 1-12 えん下 |
2.身の回りの世話や日常生活等に関連する項目(16項目)
2-1 食事 | 2-2 口腔清潔 | 2-3 入浴 | 2-4 排尿 |
2-5 排便 | 2-6 健康・栄養管理 | 2-7 薬の管理 | 2-8 金銭の管理 |
2-9 電話等の利用 | 2-10 日常の意思決定 | 2-11 危険の認識 | 2-12 調理 |
2-13 掃除 | 2-14 洗濯 | 2-15 買い物 | 2-16 交通手段の利用 |
3-1 視力 | 3-2 聴力 | 3-3 コミュニケーション | 3-4 説明の理解 |
3-5 読み書き | 3-6 感覚過敏・感覚鈍麻 | | |
4-1 被害的・拒否的 | 4-2 作話 | 4-3 感情が不安定 | 4-4 昼夜逆転 | 4-5 暴言暴行 |
4-6 同じ話をする | 4-7 大声・奇声を出す | 4-8 支援の拒否 | 4-9 徘徊 | 4-10 落ち着きがない |
4-11 外出して戻れない | 4-12 1人で出たがる | 4-13 収集癖 | 4-14 物や衣類を壊す | 4-15 不潔行為 |
4-16 異食行動 | 4-17 ひどい物忘れ | 4-18 こだわり | 4-19 多動・行動停止 | 4-20 不安定な行動 |
4-21 自らを傷つける行為 | 4-22 他人を傷つける行為 | 4-23 不適切な行為 | 4-24 突発的な行動 | 4-25 過食・反すう等 |
4-26 そう鬱状態 | 4-27 反復的行動 | 4-28 対人面の不安緊張 | 4-29 意欲が乏しい | 4-30 話がまとまらない |
4-31 集中力が続かない | 4-32 自己の過大評価 | 4-33 集団への不適応 | 4-34 多飲水・過飲水 | |
5-1 点滴の管理 | 5-2 中心静脈栄養 | 5-3 透析 | 5-4 ストーマの処置 |
5-5 酸素療法 | 5-6 レスピレーター | 5-7 気管切開の処置 | 5-8 疼痛の看護 |
5-9 経管栄養 | 5-10 モニター測定 | 5-11 じょくそうの処置 | 5-12 カテーテル |
関係機関との関わり
関係先 | 関係先からGH | GHから関係先 | 相談支援事業所 | サービス等利用計画の作成 | 相談 |
保健所 | 支援 | 相談 |
市区町村 | 支給決定 | 相談・申請 |
企業・日中活動先 | | 通所・就労 |
地域 | 交流 | 交流 |
家族 | 利用者の状況の共有 | 利用者の状況の共有 |
障害福祉サービス事業 | 相互連携 | 相互連携 |
医療機関・主治医 | 緊急時対応 | 緊急時相談 |
都道府県 | 指定・運営指導 | 指定申請 |
類型とは?
グループホームは大きく分けると、介護に関する種類の型と滞在期間の種類の型が有ります。
介護に関する種類の型
介護サービス包括型 | 日常生活の援助、介護サービスの提供 |
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日中サービス支援型 | 地方公共団体が設置する協議会等で評価を受けて重度化・高齢化に対応できる。 |
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外部サービス利用型 | 日常生活の援助を行い、介護サービスは外部へ委託する。 |
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滞在期間の種類の型
サテライト型住居とは?
グループホームの支援を受けつつも、共同生活ではなく一人暮らしに近いスタイルで暮らしたいニーズに対応した支援携帯です。サテライト型住居自体には交流室などはなく、本体の住居にある交流室を利用する。また、滞在期間は原則3年で一般住居へ移行できるように計画的な支援を行います。